何かを始めると失敗は起こりやすい。やるつもりは無いけど、気の緩みなのか、一瞬寝ていたのか、「あっ」と思って、「しっまった!」と思うことがある。あと少しで本決まり、という時の失敗は悔やまれる。もう過去には戻れないからだ。

上司となれば部下が失敗をした時には、大体が激怒する。自分が絡んでいる案件だったら更に倍増する。「大丈夫だよ」と言ってニコニコして、その責任を裏で挽回するカッコいい上司は、少ないものだ。

「どうしたんだ!」と理由を聞く、自分なりの理由をあれこれと周り口説く話しを始める。その態度と口調に上司はイラついて、「言い訳をするな!」と言ってしまう。これを繰り返しいくと、部下は平気で「すみません」を連呼するオウムに変身して、真実を言わなくなってしまう。

仕事での失敗をどう片付けるのかは、上司の采配次第だ。失敗学を学んだ時に、なるほど・・・と思ったことがある。リスクマネジメントと失敗学は面白い。

人はどうにしかして、自分の行いを認めてもらいたいと思って、正当化する口調や態度になりやすい。話がまとまっていれば良いのだが、大体は急に言われて整理もつかず、世間一般で許される言葉を発して、この場を切り抜けようとする。一刻も嫌な空気から逃れたいと思う人も多いはずだ。言い訳じみた言葉に聞こえてしまう。

少し違うが、営業で成約して印鑑をもらったら、社長の気が変わるじゃないかと思って、直ぐに逃げて帰りたい気持ちになることがある。何かをやらかして、帳消しにしてしまう空気から一刻も早く逃げたと思ったからだ。

言い訳は悪いことではない、と思って欲しい。嘘かホントか適当を口に出す人とは区別してもらいたい。そんな人こそ「言い訳を使うな!」と叱れば良いだけだ。

言い訳には本人しか見えなかった、失敗に結びつく原因のストーリーが生まれていたはずだ。それは本人しか感じとれない、見えなかった事象なのかもしれない。あるいは他人でも既に起こっているが、まだ気が付かないことなのか、起こりそうな事象なのか、様々な推測と探究が必要な場合が多いからだ。

例えば、伝言のミスをして注意したら、「すみません、うっかりしていました」と言うだろう。でも、うっかりしたの何故かという言い訳があるはずだ。同僚や上司と意見が合わないのでいつも不安でいっぱいだ。職場の居心地が悪い、家庭で問題が起こっている、体調が悪い、視力が下がってきている、最近物覚えが悪いと感じる、出る前にケンカした、通勤途中で嫌なことがあった、などなど本当に失敗をした理由は、自分だけのささいな言い訳に隠されていることがあるものだ。でも他人が聞いたら、大事のことだったりする。

その自分だけの言い訳は、他の人も持ち得る言い訳と言っても良い。そこを解決すれば、会社が持つ負のリスク、大失敗に繋がる連鎖を軽減できると思っている。

幸いにも今日は週末の金曜日。言い訳を聞いて腹が立っても、月曜日には忘れてしまうものだ。言い訳の中の真実を見つけて欲しい。