「1・2の三四郎」が大好きだった。と言うか今でも大好きな漫画本です。昨日は部屋が冬のままで、このまま冬眠でも出来そうな雰囲気だったので、反省して夏に衣替えしようと片付けを始めました。何かを片付けると、何かが出てくるもので、この漫画本を目にしたら最後、読み終えたら夕方になってしまった。片付けは仕事とと同じように気合がいるものだと反省しました。

40年も前の高校生の時に出会った漫画本です。初代のタイガーマスクがダイナマイトキッドに圧勝して鮮烈なデビューを飾り、テリーファンクとブッチャーが血みどろになって、ファンのために頑張るオッサンの姿に感動するプロレスを見て、私も柔道部で戦うことを決めて入部しました。残念ながら田舎の学校には空手や格闘系のクラブが無かったので、1番近い存在でした。三四郎も同じで、高校生の時はラクビー部で活躍後に柔道部に入部。三年生の時にはプロレスラー並みの身体に鍛え上げて、腑抜けた態度で世間からの評判は悪い。とにかく女性からの評判は最悪です。似た者同士が集まった柔道部は、強敵の猛者を次々と倒していきます。高校を卒業して柔道仲間と一緒にプロレスの事務所にこぞって入社。入ってみれば保育園を兼務する事務所だったので幼稚園児の相手をしながら、最後はプロレスラーとして頂点に立つ話です。

それが高校生で読んだ時の漫画本のストーリーです。本当に面白くて、未来は楽しい、何でも出来る!と真剣に思ったほ程です。色男でもなく、格好良くも無い、腑抜けた態度といやらしい目つき、絶対に女性にモテ無いタイプなのに、女性が大好きでモテたいオーラを醸し出す、男の本能をあらわにする見本のような生き方に憧れた程です。私は前職の仕事に失敗して、今の損害保険の扉を叩いて心機一転!と頑張る決意をした時に、「1・2の三四郎」が戻って来ました。それが写真の漫画です。お金に余裕はありませんでしたが、そんなことを選択する気も無く衝動買いで必死で読みました。

三四郎は武者修行でアメリカに行き、カミナリマンとなって全米を震え上がらせ、ビックスターになって、日本に帰って来ました。大歓迎!とは程遠く、所属事務所は借金で倒産して団体も解散、仲間はバラバラになっていました。仕方なくファミレスの店長となって働きながら、自分で団体を立ち上げものの、プロレスはイカサマだと世間から見向きもされずに、サブミッション系の「相手に身をまかせない」「ロープに飛ばない」格闘スタイルが主流となっていました。三四郎は昔ながらのプロレス家を求めて、昔の仲間を呼び寄せて地方巡業で戦います。空中殺法が得意なオコノミマンは、中年太りで腹が出ていますが、ファンの前では腹を引っ込めてスターの威厳を出します。

世間では禁句だった「プロレスが好き」だと思っても、人に言えなかったプロレスファンを増やして行きます。最後はプロレスの最強を誇る三四郎と、サブミッションで最強の赤城と対決をして、ブレンバスターと言うプロレスの王道、相手に身を任せるように見える大技を世間に知らしめて、赤城を破ると言う、オッサンが全力で立ち向かう漫画です。漫画本されど漫画本です。

私はこのストーリーで沢山の知恵とヒントを何となく授かった気が今はしています。栄光から一転して奈落の底に突き落とされても、自分のスタイルを突き通して実力で世間に勝つこと。決して独りよがりでは無く、三四郎が強さを証明していくことでファンが増えて、信頼される友も増えていく。仕事と言う姿に共通すると思っています。自分でこれが一番、絶対に負け無い、と思っていても、世間に知らしめないとファンは広がりません。まして共感する共も増えません。

地方巡業は自分を売るための大切な手段の一つですし、SNSも重要です。オンラインも重要でしょう。しかし本当の強さはリアルで戦う姿であり、貴方の持つオーラに共感して仕事が成り立つものです。

「貴方にとって貫く強さの源は何ですか?」

三四郎は男性のファンを持つ圧倒的な存在です。しかし、いやらしい行動と目つきで女性からの支持は全くありません。腑抜けた存在だからこそ、スターなのでしょうね。今日は漫画本の解説ストーリーでした。

楽しいゴールデンウィークをお過ごしください。