黒色スーツを着た5人組を見かけました。多分、今年大学を卒業した新入生。会社にも慣れて、初々しさから自信に変わるちょっと手前の頃だが、まだまだ新人さんの匂いが漂ってきます。良くも悪くも今の匂いを無くして欲しく無いものですね。

「どうしているんだろう?」

その5人組を見て思い出した光景が今日の写真です。ミャンマーの大学を卒業した学生さんと出会って現地で撮った写真。”未来は明るい”、彼女達の放つオーラでこちらも幸せな気持ちになります。満遍な笑顔で喋った会話を覚えています。勿論、通訳付きですよ。

「私はアメリカでもう少し勉強をします」

「私は地元の日系企業に入ります」

楽しく喋る彼女は光っていましたね。

「一寸先は闇」

本当にそう思います。出会った翌年にはコロナ、そして国軍のクーデターと、ミャンマーは一変しました。勿論、現地には行けませんから、どんな状況かは全く知る術がありません。メディアやSNS、現地とのオンラインで情報収集をしますが、至って体感型の私にとっては、確信が持てません。

「先ずは食べてみる」

が私のモットーなので、どんな出来事も世間の噂も、自分の5感で感じたことを基準としています。やっぱりそうだったとか、行かなきゃあ良かったとか、エラい目にあった、そんなことは普通にあります。それ以上に五感で感じたことは将来の宝になるからです。行動を起こした人でしか知らない世界です。

・見た人

・音を聞いた人

・匂いを感じた人

・口に含んだ人

・手で触れた人

自分の未来を判断するとても大切な行動です。一つでも欠けると成功確率は20%下がります。消費税の2倍です。5回に1回は当たらんと言うことです。

軍事クーデターがあってからはFacebookに投稿することも随分減りました。と言うか”確かな情報をSNSでお伝えする”ことを信条にすると、あまりにも情報収集が出来ないので沈黙をしています。

2017年に初めてミャンマーに訪れた時の衝撃と苦い思い出は、今のことのように話せます。

「ミャンマーはアジア最後のフロンティアだから絶対に行った方が良い!」。海外旅行さえ2回しか行ったことがない私がミャンマーが良い!って誘われてもそんな異国には行けんわ、と思って2年間知らん顔をしていました。しかし、自分勝手な何かの理由があれば重たい尻も上げられるものです。あることを思い付いてミャンマーの地を踏む決意で、3回目の外国に挑戦しました。

「現地で待っているから安心して」、友人のその言葉だけを信じて空港に着いたものの、彼が見当たりません。30分経っても来ないので、ウロウロしてたら空港ゲートをうっかり出てしまい、慌てて戻ろうとすると、ライフルを持った軍人のお兄さんが駄目みたいな言葉を言って、あっちに行けと言うけど、本物のライフって初めて見たんでそっちで興奮したし。

ゲートを出たら砂糖に群がる蟻のように、タクシードライバーが俺の車に乗れ!と言わんばかりに言ってきます。30人はいます。私にはそう見えました。断るための言葉も喋れませんから、「NO」のニ文字とジェスチャーをフルに使ってその場を非難しました。それでも友人は来ません。

タクシードライバーが、次の獲物に群がる光景を見ながら待つことにしました。知らぬ土地で知らない言葉が行き交い、たまに流しのタクシードライバーが声を掛けにきても、こっちは既に死んだ状態なんで、相手にもされずに立ち去っていきます。地獄の中を待つこと1時間、

「すみません、渋滞してて。飛行機も早く着いたんですね。よくあるんですよ」

“こいつを殴ってやろうか”

そんな気持ちになったことも思い出の一つです。日本で甘やかされて育った私にとっては、強烈な入国日でした。でも、私だけの体験は私だけの知見であり、私でしかストーリーを語ることができないオンリーワンです。本当に将来は何が起こるか分かりませんね。

ミャンマーの若者の未来が心配です。一寸先の闇と戦っている辛い状況ですが、来ない朝はありません。きっと皆さんが幸せを感じる日が訪れるはずです。何かをしてあげた気持ちになりますね。日本も同じです。何が起こるか分かりません。

だからこそ今日を楽しく頑張っていきましょう!