昨日、久しぶりに苦悩する決断をした。多分、数年ぶりのことで他人から見れば、「仕方ないでしょう」と言うかもしれないが、私には重要なことであった。

広島の運送業のお客様で、1月からコンサルが始まり、昨日は2回目だった。松江は雪がチラついていたが至って静か。コンサルの開始が13時〜だが、万一を考えて7時30分には出発した。普通だと10時過ぎに着く計算だ。

広島の県境付近から、高速ではホワイトアウトが時々見られようになってきた。雪は大きな”ふわふわ”の状態で、辺り一面に降ってきた。それも静かに、真っ直ぐに落ちていく。山奥に居たから分かる、あの嫌な感覚だ。「大雪になる」が頭に浮かんでくる。

案の定、千代田インターチェンジで降ろされて、通行止めになった。一般道を走るが、車は渋滞で動く気配が無い。広島の道を知り尽くしている、コンサル先の社長に相談すると、そんな時に用意している抜け道を教えてくれた。

トラックやらバスが立ち往生する横をすり抜けて広島市内を目指すが、前方から車が来ないことに不安を抱く。スリル満点のドライブテクニックを披露して進むと、パトカーが見えた。「残念、お疲れ様」と言っているように見えた。ここも通行止めになった。

高速を降りこの辺を2時間はウロウロしている。車を横付けにして駐車する人も増え、雪は一向に収まらない。死にものぐるいで走ったら、運良く行けるかもしれないし、運悪く遅れるかもしれない。最悪は行くような期待感を持たせて、行けなくなった時だ。

それに今日はスタッフも同行している。歳を取った私が不幸になるのは、今迄の行いが悪いからだと、諦めもつくが、まだ若いスタッフには明るい未来と将来がある。それに、コンサルが終わっても帰れるかも全く分からない。

約束を守るため、予定を履行するための挑戦と、今から起きる未来を想定した決断をしなければならない。それもスピードと言う時間の速度で相手への印象が全く違ってくるからだ。

11時前に社長に連絡して、コンサルの延期をお願いした。お客様と約束をして時間通りに行けなかったことは勿論、中止することは、営業人生の中で限りなく少ない。だからこそ、自分のプライドを保ちたいという欲求が襲ってくる。口に出したことは、何が何でもやり遂げる、と言う武士の精神がここぞとばかり込み上げてくる。

しかし、リスクマネジメントには限界がある。想定を超えたらそれはリスクマネジメントの世界ではない。クライシスマネジメントへ移行しなければならない。

危険な行為で必死に頑張って辿り着いたら、「さすがだ!」と言って信頼を一層高め褒めてくれるかもしれない。限界と運に見放されて危険な目に会うかもしれない。今はチャンスと危ないという2つの局面から、リスクと向き合い決断しなければならない。経営も人生もそんなものだと思う。

結局、松江に帰ったのは18時前だった。帰り方も凄かったが、その話は会った時にしよう。

何はともあれ、私はいつものようにFacebookを投稿し、スタッフもそろそろ出勤をする。決断は間違いなかったと確信している。