子供頃から神様にお願いをする方だ。占いとかラッキーナンバーも気にする方だが、気にする割には、一瞬で忘れてしまうので、運も巡ってこないのだろうと思っている。

そんな忘れがちの性格だが、一つだけ占いを守っていることがある。ミャンマーのマンダレーに、インディージョーンズまがいに宝石の原石を探しに行ったことがある。

折角なので、世界最長の木造の橋がある、ウーベイン橋に行ったみた。全長は1.2kmと確かに長い。夕日が有名らしいが真昼間だと、オンボロの橋にしか見えない。

近くで昼ご飯を食べにお店に入った。大瓶で頼むミャンマービールは美味しい。その頃は、蓋の裏が当たりくじになっていて、ビールがもう一本貰えたりした。おまけに手作りの栓抜きもオモロかった。

突然、おばあちゃんが現れた。「あんたどっからきたん?」とビックリする程、突然現れた。同行したミャンマー人に何かを伝えている。どうも占い師らしい。気が向いたら店に現れて、少しのお金をもらって帰るらしい。

私を見てくれると言う。異国の国での占いは初めてだったので、ワクワクしてきた。生年月日で占う。象形文字のような文字を書きながら語ってくれた。

今年と来年のこと。運の良い方角やどんな人なのか。一番の思い出は、パゴダ(仏塔)に行って自分の誕生日の仏様にお参りに行く時には、白い花を供えるようにと教えてくれた。

それから訪緬する時には、必ず白い花を買ってお供えを続けている。時には花屋のおばちゃんに、ぼったくられるが気にしない。
「サービス!サービス!」とあれやこれやと花を手に持たせる接客業は、銀座のママにも負けない圧力だ。まあ、余分に買っても気持ちの問題である。しかし、彼女に渡す誕生日プレゼントみたいに膨らむと、すれ違うミャンマー人もさすがに笑っている。

ミャンマーに行く時には、自分の誕生日の仏様にお参りに行って欲しい。お水をかけて花をお供えして、あとは地面を頭に擦りつけて祈るだけ。たまに、あのおばちゃんの顔が浮かぶ。そう思いながら祈ると気持ちが穏やかになる。