タイタニックと言えばジェームズ・キャメロン監督の超ヒット作で・・・で始まった前回。今回は沈没に至るまでに様々なリスクの連鎖が引き起こした悲劇、その連載を紐解いてみたいと思います。前回どおりで、随分私見があると思いますので、その辺ご勘弁ください。

一般的には沈没の直接原因は”氷山への衝突”と言われています。デカプリオも氷山が船体に当たる所を、ケイト・ウィンスレットと一緒に目撃していましたね。

そこで疑問が残ります。
・見張りがいたのに、何故氷山にぶつかったのか
・氷山に当たっただけで、船体に穴が空くのかと単純に思ってしまいます。

先ず見張りのことから推測してみましょう。その頃はレーダーが無い時代と言われていますので、航海士が見張りにあたります。見張りといえば双眼鏡で遠くを警戒するというイメージがありますが、当時の見張り番は目視、裸眼で水平線を見るように訓練されていたようで、目的物が見えた段階で双眼鏡を使用して確認していたそうです。

そうは言っても凍りつくように場所で見張り番をさせられたら、寒いし目ん玉だって凍ってしまいます。一説には、航海士が双眼鏡を忘れて乗船した、と言う話しもあるそうですが、「たった一個だけ?」と思ってしまいそうですが、本当かどうかは定かでは無いそうです。

海は穏やかで風も無く、月も出ていない。星だけが海を照らしている状態で、見通しも悪かったはずです。流氷が多く発生する場所で、出発も遅れ航海時間を競っていたタイタニックにとっては、スピードを上げてでも競争に勝つ役割を担っていたようです。

725km離れて航行していたカリフォルニアン号も流氷で立ち往生していたようです。その状況を伝えようと通信士が、警告を出していたようですが、受信性能や感度も今と比べようも無いくらい低く性能でしたから、タイタニック号の通信士は聞き取れなかったようです。

おまけに氷山は、ほんの一部しか海面に出ていません。実際に見張り番が氷山を目視で確認したのは、衝撃の前の37秒前と言われていますので、そこから回避の指示を送ったとしても船は急激に進路を変更できなかったと思います。タイタニック号と氷山が衝突する間の37秒間、見張り番はどんな心境だったのでしょう。目視で見た以上の大きさで衝撃した直後、沈没という言葉が頭に浮かんだことでしょう。

ちなみに、電車が120キロで走行中に急ブレーキを踏んでも、停止するまで500m、30秒以上掛かるそうです。

では、15の隔壁を持った、大きくて沈まない船と言われたタイタニック号、何故氷山に当たって船体が破損し沈没に至ったのか、次回への続きで紐解いてみたいと思います。

今日も一日、とにかく頑張っていきましょう!