いささか乱暴なことわざですが的を得た面白い言葉です。ロシアのことわざで、組織はトップから駄目になっていく、と例えです。

法人の保険に携わるようになって、これまで沢山の会社や経営者にお会いしましたが、倒産したり経営が思わしくない会社に共通する傾向です。会社が大きくなると業績は全然問題無い優良企業でも、そんな雰囲気を持っている所はあります。大きな会社ほど進行は緩やかで見た目には感じられませんが、内側に入るとよく分かったりします。

保険に対する考え方や加入する保険の内容でその兆候が伺えるのは、言葉は悪いですが知ることができる一つの方法です。

保険は成長を妨げる未来の悪影響に対して、及ぼすリスクの可能性を事前に防いで更なる成長を成し遂げるために準備してするものです。決して今を基準にして物事を考察するものではありません。今何もないことがずっと続くことはあるかもしれませんし、突然何かが起こるかもしれません。だからこそ、経営のトップや責任者は未来を予測する準備や情報収集を怠ってはいけないのです。

「これまで大きな地震や自然災害にあったことも無いし、今まで聞いたことがないから不要だ。もしそんな大きな災害が起こったら、会社は操業できないから閉鎖するつもりだ。」

こんな言葉を社員の前でうっかり口にしてしまうとモチベーションを下げたり、働く所もないから仕方なく従ってしまう社員もいるかもしれません。経営者も現実で考えると結果的にそうなってしまうかも知れない可能性を、つい言ってしまいがちです。

“魚は目で見て買え”と言います。

鮮度が落ちたり売れ残って相手にされなかった魚は、目から痛みが始まります。一番鮮度が高い部分だからです。「あの社長は目が霞んでいる」、と言った例えで使われ、物事の良し悪し、世間が見えなくてなっているのでは?と思われた時に使われます。

それでも頭以外の痛みは見た目では分かりませんし、一生懸命鮮度を保とうと頑張っていますから、まだまだ食べることできます。それが社員の姿に似ています。維持しようと頑張っています。

次に鮮度が落ちると内臓から痛みが始まります。組織で例えると役員や管理職と言った所でしょうか。内臓が痛み始めると匂いがします。魚全体から匂いが出てくると、社員もなんだか様子が変だと気がついてきます。その匂いは外部にも分かるようになって、大売り出しのセールか、切り身になって頭と離されます。これが社内の切り売りとなって不採算部門は捨てられて、どうしようも無くなると、廃棄と言う廃業に追い込まれてしまいます。既に頭は不要とされている切り離されて、世間からは不要と言われていても、トップと言う頭はそれでも自分は新鮮だと勘違いを起こしてしまいます。

どんな会社や組織でもヒレや尾っぽから腐ることはありません。頭が新鮮だったら例え切られても、全然大丈夫だ!と錯覚をするくらに勢いがあります。頭の鮮度は会社そのものの社風と言っても良いと思います。

昔からのことわざはどんな国でも、何年経っても変わらない王道です。人が長年生きてきた過程で失敗を繰り返して学んだ知識であり、未来の助言です。未来を予測することは難しいですが、様々な情報や人の意見を受け入れることで、おおよその想定や仮定はできるものです。トップと言う存在はいつまでも新鮮さを追求することを忘れないで欲しいと思います。

今日も一日、頑張っていきましょう!