地方の営業は車を使います。とにかく走って走ってお客さんを探し回って、気がつけば運送業者に負けないくらいな距離を刻むことがあります。市町村あたりの人口が少ない地方の営業は、会社の半径○メートルがエリア、なんて理想の話なんて言っている場合じゃないので、縦横無尽に走り回ります。
効率が良いとか悪いとか、そんな計算じみたことを考えることは、営業を始めた人や、明日が無いと思う人にとっては無縁の話です。
「あそこの場所はまだ誰も営業していないから行ってみよう」
「あの会社は○○なんで、チャンスがあるかもしれん」
自分なりの理由と想定を決めて、車で数時間走ってみたものの、話は聞いてもらえず撃沈されて、また同じ道を帰る。そんなことなんて普通の出来事です。
遠距離営業の一番の課題は、会社に集まって会議や研修をすることです。決められた場所と時間にマッチングするように、こちら側がそれに合わせると言う無駄や非効率が発生してしまいます。それも、どうでも良いような研修会議をダラダラと2時間もされたら、お互いのモチベーションも下がりっぱなしになります。
一昨日は16時から会議がありました。朝から会社を出発して、運送業者のような距離を走ってメーター読みで140kmは走っています。15時には島根県の川本町、会議まで1時間しかありません。昔だったらこんな時間にこの場所に居ることなんて有り得なかったでしょう。今はオンライン会議でネット環境と静かな場所さえあれば何処でも会議はできます。心に余裕もできますし、何たって会議の時間に縛られない、会社に戻らなくても良いのは素晴らしいことです。
会議まであと1時間、ネットの環境の確認や場所の確保で良い場所と言えば、ここから30分弱の世界遺産にも登録されています”石見銀山”と場所を定めて、目的地に向かいます。
私が営業初心者だった20年前は世界遺産登録前、閑古鳥が鳴いているような場所で、昼間に行っても誰もいませんから、絶好のトイレ休憩場所であり、営業ルートでした。それが世界遺産に登録された途端に人や車が溢れ出すようになってトイレも行けず、そもそも渋滞だらけで営業ルートも通れず、数年は全く行くことがなくなりました。
今は良い感じで落ち着いています。平日は人も少なく(本当にいないです)、営業ルートも復活して、トイレも出来てバッチリです。16時前だと店も閉まるので、観光客は殆どいませんから、静寂が戻っています。山間なら日陰も多くてベンチに座って普通にオンラインができます。さすがにイヤホンをつけて話をしますが、人なんて歩いていませんし、車で通る人は一瞬こっちを見るだけで感心なんてありませんから、問題なくオンラインはできます。この会議に参加するために会社に帰ったとすると、3時間は損をしたでしょう。本当に勿体無いことです。
「自然の中でオンラインをする」
格好良い言葉で都会の人が憧れるフレーズでしょうが、現実は色々あります。「清流を見ながらオンライン、心も落ち着いてアイデアも生まれる」そんなネット記事を見ましたが、そもそも虫が嫌いな人は駄目ですよね。話をしながら蚊やアブが飛んでくるし、蝶なら綺麗で嬉しいですが蛾や得体のしれん虫なら、変な粉をふいたり、顔や目にやたら近寄って来るし、耳元でブンブンする音を聞くとイライラ度200%です。外で仕事をすることは自然の生き物と共存すること必要になります。
「虫は嫌いだから部屋でオンラインをする」
そうなったら田舎で無くても、都会で良いじゃんと、思いながら田舎にいる現実と戦いながら無事にオンライン会議は終了しました。
オンライン会議は政府が進める働き方改革には、とても効果があると思います。時間と場所に縛られない行動は、優秀でやる気のある方には適しています。しかし、やる気も少なくサボり癖のある人にとっても同じく有効的です。相反する有効的な現象を、会社がどのような体制で業務を回していくのか悩む所です。人それぞれの考え方や行動がありますから。
会議の前に食べたアイスクリーム。日差しがキツい山で食べるのは最高に美味い!
平日の石見銀山はオススメですよ。是非、ノスタルジックに浸りたい方には良いですよ。昔の田舎街ですから。
今日も一日、頑張っていきましょう!