「仕事とは、何かを作り出すことであり、成し遂げる行動である。これで良いのか、と疑問を持って、自分なりの工夫で更に上を目指すことである」

「作業とは、肉体と精神を通して、ある具体的な結果を出すことであり、ある流れを言われた通りにこなすことである」

2014年3月、あるTV番組でうなぎ屋職人野田岩の五代目 金本謙二郎氏の言葉と立ち振る舞いを観て、猛烈に会いたくなった。速攻型の私は、月末に島根から予約を取って会いに行ったことがある。

背は低い。パリッとした真っ白な勝負服を身にまとい、調理場を仕切っている。中からお客さんの様子を見る目は、穏やかさと厳しさがあるように見えた。目が合った。絶好のチャンスと思い声を掛けさせてもらうと、間髪入れずに言葉が帰ってくる。

「お粗末でした」

もう、この言葉で惚れてしまった。

その言葉には仕事への拘りと、謙虚さ、愛される風格が一瞬で伝わる。私もそうなりたいと思い、保険という世界で職人を目指したいと思ったひとりである。いつの間にか、横文字のコンサルタントに変わっていったが、思いは同じである。

仕事と作業の違い、金本氏の言葉をはっきりと覚えている。そして五感を駆使するとは、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の全てを用いて、物事に取り組む姿勢だと言われた。

うなぎは勿論美味しかった。本物の職人と話を交わして、一緒の時間を僅かでも共有できたのなら、何と安いコンサルタント料金だろう。言葉が少なくても、こちらに本気度があれば相手にも何かが伝わるものだ。

オンラインは便利で必ず必要になる。それと同じように五感を駆使する場面を自分から作ることができれば、きっと素晴らしい仕事ができると信じて欲しい。