3月に入ると渓流釣りの解禁が始まる。太公望にとっては待ちに待った春一番の嬉しい知らせだ。ちなみに太公望とは、中国の太公望呂尚という方の釣り好きが語源らしい。

釣りをしない人は、「糸を垂らして、魚が食い付くまでよく待っていられる。私にはそんな我慢はできないし、気長じゃない」とたまに言う人がいる。釣りを知っている人はきっとこう言うだろう。「釣りって無茶苦茶忙しい」と。

特に渓流釣りはタフで忙しい、おまけにそれなりの危険を感知する敏感度が無いといけない。Facebookでもよく書いているが、毛針釣りのフライフィッシングは観察力が鍛えられるから、営業の教育には持って来いだ。フライフィッシングをしながら営業力強化のセミナーをすることも夢の一つだ。川と山と魚、3つのキーワードを駆使して営業を鍛える想定力が鍛えられるからだ。実際に魚が釣れでもしたら、自分は天才ではないかと思ってしまう。それで良いのだ。天才だと思い込むことが大事である。自信の裏返しだからだ。

おまけに川を歩くから健康にも良い。何よりもご飯を食べたり休憩で飲むコーヒーはとても美味しい。あまりにも気持ちが良くて、そのまま寝てしまい、釣りもせずに帰ったことがあった。それでも幸福である。

営業も魚釣りも必ず最初はリサーチから入る。これをせずに釣りを始めると、運を天に任せる飛び込み営業になってしまう。散々歩いてクタクタになった時に足を滑らせて転んでしまい、魚釣りは懲り懲りだと思ってしまうだろう。あるいは全然釣れずに、自分には向いていないのでは?とダークサイドが声を掛けてくる。

「そんなんしなくて良いじゃない?もっと他に自分に合うものがあるよ。やめるなら早い方が良いよ」と。営業と似てる気がしてならない。

何事も最初が肝心である。最初の印象が良かったり、自分なりの理由に根拠が有れば、物事は楽しいと思うし、続けられるものだ。しかし、その環境や場を作ってあげられるのは、上司であり経営者だ。第三者であればコンサルタントやセミナー講師、インストラクターの人達だ。

まだまだ3月は寒い。もう少し暖かくなってから行こうかな?そう思って10年以上経ってしまった。竿も上手く振れないから糸も遠くに飛ばないだろう。リサーチという想定がピカイチでも、結局は川に行かない始まらない。営業も結局は動くことだ。今年こそは、と今年も思う。