何事にも興味を持つことが大切である。子供の頃は全てのことに興味を持って、質問攻めにするものだ。

「あれは何?」、「あれは何で?」と聞いてくる。おまけに「あのおじさんは○○だね」、と大人なら思っていても見て見ぬ振りをする光景をサラッと口に出して、とっさに親が口封じをすることがある。

それくらいあらゆる物事について興味という目で捉えて、理解したいと思う行動には貪欲だ。逆を言えば知らないことに恥ずかしさがないからだ。この世に生まれて未だ数年、知っている訳が無いとう先入観が大人にあるから、優しく教えたり、笑ったりすることができる。何も知らないでも、罷り通る子供の強さであり、興味への貪欲感だ。

数十年経つと、興味という欲求を口に出して、貪欲に続けている人は少なくなってくる。大人になればなる程、位が上がれば上がる程、知らないことへの劣等感が生まれてくる。あるいは興味という言葉さえ忘れて、自分に危険が及ばない距離を保って、自分が良しとする興味の世界に居座ろうとする。

仕事の世界も同じである。興味という武器をどれだけ口に出して物事が知りたい、と思った人は成長の度合いが異なり、大体は優秀者となって成功する。

スカイツリーがまだ建設中だった頃、女性スタッフと一緒に見に行ったことがある。私は工事現場の重機やテキパキ働く人の動きに興味を持った。そのスタッフは、工事現場には必ず備え付けてある、建設業の許可票や施工体系図、建築基準法の表示版に興味を持って色々と聞いてくる。スカイツリーよりこっちに興味を持ったようだ。

興味を持った効果は営業に現れてくるものだ。女性でこの工事標識を語られる営業社員少ない。建設会社の経営者にも信頼されるようになって契約を取り続けた。そして興味という世界は広がり、ブランディング営業の会社を自分で作って、今は全国のクライアントと仕事をしている。

興味を持っても、「そんなことも知らないのか?」と思われることは正直恥ずかしい。口にしたことを後悔することもあるだろう。

だが、恥ずかしいと思うことは一瞬のことだ。相手だって明日になったら忘れているものだ。人は案外、そんなことには興味が無いからだ。

興味を持つ、関心を持つ、目の中に飛び込んできたことを探求して欲しい。世の中は知らないことばかりだ。知ることで世界が変わり、チャンスも生まれものだ。営業なら尚更である。