隠岐の島には古典相撲と言う夜通し行われる相撲があります。元々は神様への奉納相撲「宮相撲」が始まりのようで、神話の国島根に相応しい、伝統的な行事です。今でも隠岐の島出身で現役のお相撲さんと言えば隠岐の海。甘いマスクで女性に人気のようです。
夜通しと言えば石見神楽も同じで、町のあちこちで神社から太鼓の音が響き渡り、朝まで神楽を舞います。石見神楽で終わる秋祭、冬の訪れを感じて寂しい気持ちになったものです。
隠岐の島の古典相撲は、島ならではのルールがあります。小さな島ですから遺恨を残さないことが重要で、最初の取り組みは全力で勝負して、勝った方の力士は二番勝負の相撲では負ける、という五分と五分の戦いで幕を下ろす仕組みになっています。
スポーツや勝負の勝敗ははっきりした方が満足感があってスッキリしますが、人生と仕事になると中々難しい感じです。
調子が良い時には運が味方をしてくれています。立て続けに契約が取れたり、悩みやトラブルが突然解決したりします。
悪い時には大体が重なってダブルパンチをくらうことも度々あります。本当に運がない時の情け容赦ない物事は一体何なんだろうと、我が身の人生を恨んだりします。人から言わせれば、「そんなこと?」と言われることもありますが、本人の気持ちは海の底です。
では何で良い時と悪い時があるんだだろう?と思ったことがあります。もしかしてこれが解決すると営業が抜群にできて、苦労しないかも?と妄想を描きます。ずっと良い日が続く理想郷です。そうは言っても仕事でも人生でも、運が向いているとか、今が良いぞ、と思う時は直ぐに来る訳ではありませんから、ずっと待ちます。その内そんなことも忘れて、日々に追われて妄想話も吹っ飛んでしまいます。結局その時にはそのままになってしまいましたが、今思うことがあります。
調子が良いと感じる前の行動、絶不調の時にどれだけ一緒懸命努力したかで決まります。不安と言う悪魔が自分の願いや想いを消しに耳元でささやきます。「そんなことをしていて大丈夫か?もっと違うことをした方が良いんじゃない?」弱い自分はその言葉に惹かれます。
「こんなことをやってて良いのだろうか?」
と自問自答や悩みが始まります。覇気が無くなり、挨拶もしなくなって、言葉数も少なくなります。
「これで良んだ!」
邪念を払い除ける言葉重要です。今の自分の姿を信じることが一番大事です。
実はその時こそ、運や縁をたぐり寄せるネジを巻くタイミングです。一緒懸命に努力するネジを巻く仕事です。決して作業のような消化する動きでありません。仕事と言う自らが生み出し未来へ繋ぐための行動です。凄くしんどい行動ですが、このしんどい思いが古典相撲で負けた時です。今は、今年は、負けたかもしませんが、次は勝つチャンスがあります。五分と五分なんですから。
負けたと思うことは自分を振り返って更なる精進をするための決意であって、負けたことを非難する人は誰もいません。会社も上司も頑張ってもらいたい、自信を持って仕事をしてもらいたいと思っているはずです。だから負けた時、負けそうな時に自分を五分に戻すために一生懸命動くしかありません。
「人生も仕事も五分と五分です」
良い時もあれば悪い時もあります。長い短いの差はありますが、長い時間を推し並べると、きっと丁度良い感じになります。人生も仕事もそんなもんです。
あえて言うなら運が良い時を長続きさせる方法です。運が良くなると調子に乗ります。仕事やプライベートも充実して忙しくなります。今までは時間があったので丁寧な仕事を心掛けていましたが、少しずつ丁寧さが失われていきます。この僅かな差が蓄積されて運が悪い方向に歩いてる感じがします。
運や縁を永続させる秘訣とは、
「五分と五分、いつの時でも変わることが無い自分の姿」
なのだと思います。
今日は週末、楽しんでいきましょう!