3年前の今日の日、ミャンマーのマンダレーにいました。もう3年経つのかと思うと時間と歳を取るのが早過ぎて、こりゃあどうしたもんだと頭を抱えそうです。
マンダレーは翡翠の生産量世界一を誇る街で、中国人バイヤーが凄いらしいと言う噂を聞いていました。翡翠やルビー、サファイアなんかも豊富にあるらしく、これがビジネスに繋がらないかと期待を込めてマンダレーに行くことを決めました。日本語学校への視察も盛り込んで現地に到着。
お土産は日本製のものだったら大体喜ばれます。嬉しそうに受け取ってくれますから、今度はこれを持って行ってあげようと嬉しい気持ちが込み上げます。物が溢れていつでも何処でも、お金さえ払えば手に入ると思っている勘違いもんとは大違いです。漫画キャラクターの入ったノートや鉛筆でも喜んでくれます。日本語学校は夫婦で経営されていて丁度出産まじかと聞いていたので、赤ちゃんの肌着をちょっと奮発して買っていきました。肌着を触った奥さんは柔らかい感触と軽さにビックリしたり、喜んでくれたりと。やっぱりお土産って大事だわ、それも日本製だったらバッチグーって思います。
お目当ての翡翠市場に到着。思わず目を疑うような光景です。ミャンマー人が翡翠ロードの路地に溢れかえっています。中国人らしくバイヤーも見えます。入口には仕事をしている人なのか、フラフラしているただのオッサンなのかよく分からん現地の人がたむろしていて、今からここに入るのかと思うと正に冒険です。
「リスクマネジメントは冒険です。凄いことに出会うこともあるし、凄い悲劇に見舞われることもあります。」
凄いことに出会うためには冒険に挑戦しなければなりません。ヤンゴンから一緒で日本語がペラペラの彼に付いて行きます。人の多さもビックリですが、日本人らしき私を見ても余り感心がないようで、なんだか物足りなさを感じました。きっとお金持ちのオーラが無いのが分かったのでしょうね。ある意味一安心。
この話は今から3年前の話ですが、現地では既にオンライン商談が行われていました。その光景を目の当たりにして、もうビックリです。
「ITなら日本より進んでいる!」
本当にビックリしました。遅れている私だからそう思ったのかも知れませんが、日本は世界で優秀な国だと思っていたことを疑問に思ったほどです。実際の話はミャンマーと言うよりも中国人バイヤーのハイテク化です。
彼らはノートパソコンに有線タイプのwebカメラを接続して、目星をつけた翡翠の原石や腕にはめる輪っかをカメラに近づけて本国にいる目利きに判断させて、購入の可否を決めます。プロの目利きは中国にいて、何人もいる現地バイヤーとWebカメラを通して品質が良くて高く売れそうな商品を爆買いします。爆買いと言ってもデパートで生活用品を買うレベルではありません。クレオパトラがするような翡翠の輪っかを、100個、200個と買っていきます。販売価格は上物1個20万円としたら200個、4000万円の品物が市場に出回ります。そんな中国人バイヤーが現地のミャンマー人と交渉して、足元をみた格安で爆買いをしています。中国パワー恐るベし!です。
オンライン商談は衝撃でした。これなら世界と繋がる凄いアイテムだと感じました。右も左も分からん言葉もままならない日本人が、観光バスに乗せられて決まりきった会社訪問をしたり、現地で有名だと言われる方と拍手をしたり、写真を撮ったり。情報を仕入れようとジェトロに行ったりと、大金と時間を使うより、先ずはオンラインで現地と繋がるコミニケーションから始めた方が絶対に良いと感じました。
それが3年前です。そしてコロナ禍となり一気に現実の商談アイテムとなりました。日本は人と出会うことを重要視する国民性ですから遅れ感もあり、未だ抵抗感もある方もお見えです。当然なことだと思います。それでも世界は日本の先を行っている場面が多くあります。中国は品質はまだまだで期待できない場面もありますが、失敗を恐れず”やる!”を出す国です。行動を起こすことで失敗もしますが成功にも早く辿り付きます。日本ならではの得意分野で、彼らに負けないためにも挑戦を加速して欲しいですね。
リスクマネジメントは冒険です。失敗も不幸もあります。でもそれを超えた向こう側には、見たことがない風景や、誰も手にしていない一攫千金があるかもしれません。お金では買えない自分だけの五感は冒険で生まれます。それが価値となってビジネスに波及できる糸口になります。
ワクワクさせる冒険に挑戦されてみたら如何でしょう。
今日も一日、頑張っていきましょう!