“基本”は何かを始める時には必ず教えてもらう指導方法で、基本の型や考え方が身につくまで教育を受けて、早く現場で実践しようと頑張ります。基本の型を聞くと最初は、「なるほど、そうか」と自分の知らないことを学ぶ楽しさが、自分の身となり骨となり、型を吸収する喜びに歓喜して、早く人に喋ってみたいとワクワクします。
現場に出掛けるとワクワクがシクシクに変わって、「こんなはずじゃあなかった」と、営業の辛さを知り、現実と格闘する日が続きます。そこで音(ね)をあげなかった営業マン(レディ)は現実を打開するために自分の手法を作り、知り得た経験をミックスして試行錯誤の上、自分の型を作り上げます。お客様と話をして一番手応えがあった話し方やタイミング、商品の優位性や差別化などを整理して、きっかけ作りと、落とし所が分かってくるとシクシクを味わった頃と比べて何十倍も頼もしい存在に変化していきます。
営業は不思議なものです。
「本当にこの商品は売れるのだろうか」
「自分は営業に向いていないんじゃあないか」
と、地獄の日々を送っていたことが嘘のように、営業として仕事をすることに面白みを感じるようになります。どんな立派な外観をした会社でも躊躇なく、
「こんにちは、○○会社の△△と言いますが、社長はお見えですか?」
とストレートなフレーズを言える方は営業の天才になれます。テクニックや技術ではなく、心臓の強さも営業では不可欠だからです。勿論、受付があるような大企業では使えませんから、100億円以下の中小企業がメインになるでしょう。
「初めて訪問する会社に自分の会社の説明や訪問の要件は言わなくても大丈夫?」
と思われがちですが、私の教える営業コンサルティングの教育では、「そんなことは心配せんで良い」と教えます。当然TPOは必要なので100%そうではありませんが、大筋はこれでオッケーです。そもそも決定権者の社長が在籍しているのか、外出しているのかので、こちら側の営業トークが全く違ってくるからです。その何れかの結果によって、幾通りの営業会話のパターンパンチを繰り出して相手にヒットさせる訳ですから、在籍の有無が先ずは重要です。不在でしたらそもそも今日の商談は空振りが確定する訳ですから、次回につなげる仕掛けのパンチを繰り出す必要があるからです。
「どう言ったご用件ですか?」
「今、社長は不在です」
大体はこの答えでしょうか。たまに不機嫌そうな言い方をされる方もいらっしゃいますが、突然訪問して仕事の手を止めたのは、こっちが悪いので謝るしかありません。強い心臓で不機嫌な言葉を許してあげて、ここで初めて訪問の目的を伝えて社長に会えるキーワードを必死に探すことが重要になります。電話営業でも同じことです。
そんな海千山千を乗り越えて知識と自信が上達して、売れる営業社員に育っていきます。必ず抑えておかないといけないポイントは、
「テクニックが基本と合致しているか」
です。テクニックは時として基本という土台を破壊して、自分自信の都合の良い土台を作りあげて営業を行っている場合があるからです。何事にも基本という、その会社独自の優れたやり方があります。創業者が自ら作り上げた会社の柱となる指針と言っても良いでしょう。それが自社の営業の柱となり基本となり、代々伝わる奥義となる考え方と行動論です。
私の営業の基本とは、
「貴方の会社が未来に成長するためには、貴方の会社はどこまで耐えることができるのかを分かる必要があるからです」
そのためのリスクマネジメントと経営保険、営業コンサルティング教育の3つの展開です。
保険の売り方を例にすると、保険金額という契約者が将来もらえるお金の額を、お客さんの頭にある、“あったら良いなの希望”か、営業が決めた“都合の良い額”で決定しまうことが多くあります。また、てんこ盛りのオプションも何故か付いています。所謂、根拠無き設定額です。保険はお守りや宝くじではありませんから、リスクの時にきちんと機能しないといけない訳で、根拠なき設定額の保険証券を見させてもらうとこっちが心配になります。
保険会社もきちんと基本は説明しています。それがいつしか営業マン(レディ)によって、自分の都合の良い基本にすり替わり、土台となってしまうことがあります。全てに基本があります。テクニックが優れすぎると基本が置き去りになってしまうことがありますが、迷った時や困った時、道を外した時に戻れる基本をしっかり作っていれば、きっちり自社の基本に立ち返ることができます。基本は自分自信の立ち位置を示す羅針盤です。迷った時、調子が悪い時、絶好調の時、絶えず羅針盤が示す基本の位置を大事にしていきましょう。
今日も一日、頑張っていきましょう!