「“脱下請け”元請けになるための営業体制作り」と言うコンサルティングでお客様に訪問した時のお話です。
私の考え方や捉え方は、リスクマネジメント経営と言う視点で物事を考えるようにしています。長年損害保険に携わっていますので、毎日のように事故のご連絡や何かのトラブルの相談があります。世の中はコロナ禍でもさほど変わりません。これも感染が少ないのか、仕事が普通に回っている証拠だと思いますので、嬉しい気持ちも絡まって不思議な感じです。
事故が起きた時に、その原因や対策をお客様から聞いたりします。人は様々な行動を起こして、様々な考え方や捉え方をするという知識と経験の蓄積が、今のリスクマネジメント経営の土台となっています。
経営者にお話を聞くと高い確率で言われる言葉があります。
「普通はこんなことはしないのに・・・」
そうなんです。後から話を聞くと、「何でそうなったん?」と経営者と首を傾げることもあります。しかし、本人にとってその時とは普通のことではなくて、安心・安全の状態をキープ出来ない何かがあったからです。その何かを突き止めて、連鎖を止めることも、リスクマネジメント経営の一つになります。営業で上手く行かないのも原因はあります。
多くの会社では、事故やトラブルの発生が表面化するには、結構時間も掛かってしまうので問題そのものが日常化していることがよくあります。普通のこととして、問題無く回っているように見えても、本当は少しづつブレーキのパットが減ってきていて、いつかは止まらなくなることを意味しています。
下請けから元請けに変わることは容易ではありませんし、業態をガラッと変えることは中々難しいことです。今のやり方を続けながら、何処かで変えて行くための時期と準備を始めます。
元請けの体制になるためには、下請けにドップリ浸かった振り回される考え方、「これで仕方ない」と言う思い込みから脱却することが社内に広がって行けば、会社の雰囲気や働き方も変わって行きます。何よりも考え方や捉え方の自由度が広がり、口数が多くなって未来を考えるようになります。一年も経つと業態は変わらなくても、中身が元請け体質になれます。これだけでも会社には利益を残すことができます。
新しいことを初める時や、新しいことを生み出そうとする時に重要なことは、
「先ずは口を開いてもらう」
と言うことです。そんなこと?と思うかもしれませんが、そんなことなんです。
「ここで変なことを言っても許される場なんだ。恥ずかしくない」
という安心な場作りが必ず必要になります。話をする場所の環境面と、進行役やまとめ役、迷子になった時に本筋に戻す役、喋らない人に話してもらう指名役など、部外者のファシリテーターが必要になります。
新しいことを生み出す話し合いとは、アイデアや発想の出し合いである以上に、
「もしかしてこれって世の中や地域に無かったことじゃない?」
と口に出して発言してもらわないと、そもそもスタートしないからです。この場を作っておかないと、喋りが上手な人や役職が高い人だけの言葉となって、最後は出来レースみたいなってしまうと本末転倒です。
何を喋っても、
「なるほど面白いこと言うね。確かにそれもあるね」
が掟であり、ルールです。生み出す時には変わったことを言うもんです。それを受け留めることできっとチャンスが到来すると思います。
もし、誰かが
「それって普通は無いね」
と言った時には鈴を鳴らして優しく警告してあげてくださいね。
今日も一日、とにかく頑張っていきましょう!