栃木県の日光市には東武ワールドスクウェアがあります。建物や人、新幹線や飛行機など1/25に小さくした模型の出来栄えは本物そっくりです。園内を一周すると世界旅行に行った気分になって、見所満載です。「たかが模型、子供のお遊び」と期待しないで行きましたが、精巧な出来栄えにビックリです。双眼鏡を持った家族連れは地元の人が誰かと一緒に来たのか、模型を双眼鏡で覗いています。本当の大きさに拡大することでミニチュアもリアルに見えのでしょうね。

そんな精巧なミニチュアで感動して出口付近に行くと、得体の知れない大きなキャラクターが数頭飾られています。あれだけミニチュアの出来栄えに感心して、職人の技を堪能していたのに、図体のデカイ豚みたいな魔王はヒーローなのか悪役なのか、今ひとつ分かりません。なんだか寂しい佇まいがそのエリアには漂っていて、人が近づけない負のバリアがあるように感じます。バリアの効果が効いているのか人はおらず、たまたま迷い込んだカップルもエリアの入り口から辺りを見回して、自分達には関係がないものだと思ったのか、次のエリアに行ってしまいました。

「面白いけど何がしたいか分からん」

きっと奥の方に行って、色々な看板を見て勉強すれば、きっと素晴らしいキャラクターだと感心して楽しくなるのに、いかんせんパッとみの数分で意味が分からんので、興味も薄れて行きます。それに、

「なんであんただけデカいん?」

と言う疑問が湧いてきます。あれだけ精巧なミニチュアを見せられて、世界一周をして来たのに、出口付近でデカい豚の魔王?を見たらさっきまでの感動が消えてしまいそうです。何故あんたなの?不思議です。

面白い話で興味を抱くことは沢山あります。きっかけは色々ですが、じっくり話を聞いて興味が湧いた、というよりも最初のインスピレーションでビビッと脳や心が感じたことに興味や感心を抱く方が多いと思います。ビビッとくるには物事が分かりやすくてシンプル、あれやこれやとてんこ盛りになっていないこと、言葉や風景に統一感があることが重要になります。

「あなたの営業スタイルのキャッチフレーズを10文字以内で答えてください」

師匠として尊敬するコンサルタントの先生がおっしゃった言葉です。私は「10文字」を提供する○○です。この10文字以内がとても大切です。この字数に収めないと言葉の強さが残らないからです。強烈な印象が残らないと言うことは、相手の脳や心に刺さらないと言うことです。直ぐに忘れられてしまう存在になってしまうことです。

「世界をまるごと」

「リアル世界の旅」と、

「世界をまるごと楽しむミニチュア模型」

「リアルな模型で再現する世界一周の旅」

如何でしょう。後半の方が分かりやすい?そんな意見もあるかと思いますが、言葉のフレーズは短いほど刺さりやすいことには間違いありません。言葉やキャッチフレーズを10文字以内に収めることは、結構大変です。言葉の意味を失わずに余分な言葉を削ぎ落としていかないいけないからです。これは営業や普段のコミニケーションにも必要です。短い時間で意図が伝わり、聞いた相手が絶対に間違え無い行動を起こしたり、インスピレーションを起こさせることができれば、その言葉には強さがあります。時間をとって細く丁寧に説明することも大事、短い時間でパッとインスピレーションを伝える言葉も大事。上手く使いこなすことで営業の幅もグッと広がります。

今日も一日、頑張っていきましょう!