昨日の日経新聞で「相変異」について書かれている興味深い記事がありました。トノサマバッタとサバクトビバッタが持っている特徴で、集団で行動するようになると攻撃的な体系に変化すると言います。身体の色は薄い灰色や緑色から黒や黄色に変わり羽も長くなります。飛びやすくするためなのか、足が短くなり攻撃的になるようです。
小学校から汗だくで走って帰って、仮面ライダーの第一回を観た時を思い出します。普段はおとなしい人が、悪と言う集団を見つけると、変身ベルトに風を送るために高く飛び、回転して降りてきたらバッタになります。バッタの持つ脚力を使った得意技のライダーキックで悪を倒すカッコ良さは永遠に不滅ですね。
本来動物や生き物にはそれぞれの生活の仕方があります。畑や草むらにいるバッタを捕まえて自由研究で学校に持っていった時には、必ずバッタは単独で行動をしていました。色は綺麗で薄い、周りに同化して目立たないような習性で身を潜めています。周りには何匹ものバッタが潜んでいますが、集団で草を食べても、なんら田舎の風景が変わることはありませんでした。
相変異に変化するバッタは、本来おとなしい性格なのに、集団というより強いものが生き残るエリアに身を置いてしまうと、我が身を守るために攻撃がしやすい体型に形を変えたり、相手からのむやみな攻撃を防ぐために強さを全面に出した目立つ色に変身していくのでしょう。正義の仮面ライダーに変身するのではなくて、生き残るために変身するのは、なんだか大変そうな気がします。そうは言っても、外国ではサバクトビバッタに集団で畑を食い荒らされる被害が出ていますので、集団の持つ攻撃性をどう抑えていくのかが、大きな課題と言えます。
では私たちはどうでしょう。本来は個である価値観を持って家で過ごしていますが、生活をするために働くことを選び、集団が集まる会社に自ら飛び込んで交わとうとします。大企業になればなるほど人は混雑して密集度が上がりストレスが生まれやすくなります。幸い人は共存意識が高くお互いに配慮する行動を取ります。バッタのように弱いモノ見たら共食いをすることもなく、その集団の中で礼儀と秩序ある行動をします。
しかしコロナによって新しい形も生まれてきました。集団が集まる職場で礼儀と秩序を強制的に保っていた人、我慢していた人、不満を持った人はその領域にいることで共存と言う理性を保っていたはずです。コロナで自宅ワークが推奨されるようになると個の居心地の良さに身体と心が洗脳されて、集団に戻ることへのストレスが上がることを心配しています。和から個への移行がストレスによって屈折しないで広がることを期待したいと思います。
人も相変異という性質を持っていると思います。家ではおとなしい人なのに会社では怒りやすい、またその逆もしかり。いずれにしても相変異に変わりそうな人の特徴は見た目の変化です。これはメンタルマネジメントでも抑える重要なポイントです。身なりや服装が変わり、言葉の発し方と行動に変化が生まれます。相手が言葉を発しない時には、不安が無いか周りが声掛けをして共存エリアの和を保つ努力をします。
ワクチンの接種が広がり、未来が明るい兆しが見えてきました。本当に嬉しいことで、コロナ後の世界がどんな風になるのか、ワクワクと期待で気分も上昇中です。
それは自宅ワークに慣れて自分の行動で生活してきた世界から、集団と言う会社に出掛ける日が近づいていると同じことです。ストレスを抑えて攻撃的にならないように、何かの手を打つ必要があります。今がその時期ではないかと考えます。でも、私たちならきっと大丈夫でしょう。醜い変身はしないでしょうから。
今日も一日、頑張っていきましょう!