プレジデントの言葉につられて購入した。直ぐに読みたい私にとっては、Kindleは強い見方である。
「売れない時代に私は売る」、読み終えた時に、東京でも名高いデパートで買い物をした時を思い出した。女性の喜ぶ笑顔を想像しながら「これだ!」と思って商品を選んでカウンターの店員に伝えると、「ご自宅用ですか?」と聞かれて、私の笑顔が消えた。「どう見て女性用のプレゼントじゃん」と思いながらも、「贈り物です」と答えてスタッフは精算に行った。
もうひとりのスタッフに、「あの人は新人さん?」って聞くと、店長だと言う。「どう見ても贈り物でしょう。聞き方が違うんじゃない?」と正すと、「ご自宅用か贈り物か聞いたんだと思います」と言う。
「いやいや、そうじゃなくて、贈り物ですか?を先に言う順番の話だよ」と言うと、腹が立ったのか、彼は変な客だと思ったのだろう無言だった。確かに変わり者は否定はしない。だが心が冷めているこの売り場には、絶対来ない、と思ってあれから行った事は無い。心の在り方が伝染して、売り場の空気を澱ませていると思ったからだ。
売れない時代の前から、売れなくしている営業や会社は沢山ある。リスクマネジメント営業が分かっていれば、そんな素人な接客はしないものだ。自分の言葉と態度で売上を下げているとは夢にも思っていないだろう。きっと経営者が知ったら激怒する。
時代は常に変化するが、変わらない普遍営業は常に意識しないければならない。時代や人のせいにすることは当然ある。でも、そもそも、売れない要因は何かを考えていきたいものだ。