ずっと行けなかった島根県の大田市三瓶町にあるジンギスカンのお店に行きました。仕事で近くを通ることはありますが、昼間の忙しい時間を、紙エプロンをして肉を食べる気持ちにもならず、ゴールデンウィークを利用して初訪問です。山陰でジンギスカンと聞けば、鳥取県の蒜山高原がちょい有名です。普段出会うことも食べることもなく、前回と言えば??、何年前かも忘れた本場の北海道で食べたくらいです。知り合いに有名店を紹介してもらい、頑固親父の作る拘りの味を堪能した思い出があります。
大田市三瓶町は、中学1年性の時にバス遠足をした思い出の場所です。各地の小学校を卒業したら、町に一つしかない中学校に進学します。クラスが一緒でも、よそよそしさ一杯な雰囲気を馴染ませようと遠足に出発します。遠足と言っても今考えれば酷いものだと思います。バスで2時間くらいかけて高原が広がる西の原に到着。バスから降ろと言われて牛のように野に放たれて、夕方まで放牧状態です。学校が企画する○○体験とか、○○グループ研修なるものは全くありません。野に放たれて勝手に弁当を食べて、自分で夕方まで遊べ!みたいな遠足ってどうなんでしょうね。今思えば、先生はロッジにどかっと座ってビールを飲んでいたのに違いないと思います。今の三瓶山周辺にはキャン場、近くには温泉もあって、大人になっても頻繁に訪れる私の一推しの場所です。
今回の目的はジンギスカンですから予約を取って準備万端です。松江からだと高速道路も途中まで乗れるので、1時間とちょっとで行けます。三瓶山の麓の佐田町には、吉栗の郷という公園があります。ゴールデンウィークのサービスなのか道の側に羊が放たれています。滅多に羊を見ることもないので、写メを撮ろうと近づくと子供の羊は好奇心で近寄ってきます。それを遠くで見ていた親羊が、モサモサふわふわの巨体でこっちに突進してくる始末。おまわず逃げ越しになります。親の愛は人間と同じで強烈です。
モサモサふわふわの羊を見た後で、サイコロサイズに切られ肉を見ると、見てはいけないものを見た感じになりますが、ジンギスカン鍋が置いてあるテーブルに座ったら食べるしかありませんけどね。ゴールデンウィークなのでお店も混んでいます。値段もそこそこで、ジンギスカンの他にあれやこれやと頼めば、結構な値段になります。女性同士の客も見立ち、年齢層は私よりずっと若い。見学ナンバーも多く地元と半々くらいです。食べることと同じように、この店の特徴を探して自分なりに想定することが大好きな私。
この店も地元に愛されて長年経営をしてきたことが建物と、お店の隅っこに立っているおばあちゃんを見て分かります。遠足で来た当時は、この辺はデートコーナーでしたし、冬になればスキー場もあります。おまけに温泉にも入れる訳ですから、旅館や食事何処が沢山ありました。別荘地もあるくらいですから。バブルも弾けてスキー場ブームも終わって雪も降らない。石見地方と出雲地方の丁度真ん中にある地域性は、遊ぶ場所も少なく、家族一緒に大移動する一家に一台の時代でしたら抜群の利点になりますが今は令和。中途半端な場所で同じ時間ならもっと都会で面白い場所に行きたくなります。三瓶も時代に飲み込まれてしまったようです。
三瓶でジンギスカン?その謂れは調べていませんが、このお店は流行っています。
・この辺りでジンギスカンを食べる店が無いこと(私は勉強不足で知りません)
・SNSでも評判になっていること・県外からもお客さんが来ていること
・若い方が多いこと
・女性客が多いこと
・羊はヘルシーなこと
・昼間はジンギスカンだけしか食べれないこと
・値段は高めなこと
・昼セットにご飯は含んでいないこと
・具材は切るだけ
・プロの板前さんは要らない
・持ち帰りも出来ること
・お店の回転率を上げるためにスタッフが多めなこと
などなど、人が来て儲かる仕組みができているように見えます。商売の基本が詰まっている店に感じます。三瓶はこれから、もっともっと過ごしやすくなる季節になります。県内、県外、沢山の方に知ってもらいたい素晴らしい場所、オススメです。皆さんのお越しをお待ちしています