これから引っ越しのシーズンだ。コロナ禍でも転勤や人の移動は必ずあるものだ。場所が変わるということは、新しい場所で何かが生み出されるということ。最初に思いつくのは、モノを買うと行為だ。お店に行ってあれやこれやと、商品を選ぶことができれば幸せだが、そんな時間も無い人はイメージをフル活用してネットで買う。今は組み立てや据え付けまで業者がやってくれるので、お店で買ったのと変わらないものだ。
メーカーもD2Cに変わりつつある。昔はDCブランドといって、肩パッドの入った、いかり肩でダボっとした風だったが、これからはD2Cブランドが主流になるらしい。
店は情報を得る場所に特化する。現場ではユーザーと繋がり問題点や興味を聞き取り、時代の潮流を即座に取り入れる。その情報を元に商品開発を行い、ネットで販売する。お店独自のポイントカードを作り、割引ポイントを付加して商品を購入させる。全てを循環させる仕組みが出来ている。
店頭では多種多様な商品を置くということは、ライバルから見れば有り難い存在かも知れない。お店でモノの大きさや使い勝手を手に入れたら、ネットでモノを買った方がお得になるからだ。Amazon流と言っても良いだろう。
直販型とは全く異なる形態を持ち、メーカーがユーザーと直結する仕組みだ。間で働く仲介業者や下請けはその仕組みにどうやって対抗していくのかが今後の鍵となる。
しかしまだまだリードは随分あると思っている。長年に渡って相対して来た生身の身体と頭の中には様々な情報が眠っている。残念なことだが眠っているのだ。遠い記憶となっているのか、ひとりでは思い出せないものだ。誰からヒントをもらって記憶のドアを叩いてもらう必要がある。仲介業者も下請けもカッコいいD2Cの仕組みでなくても、仕組みが構築できれば勝機はあるはずだ。そのためには人の力を借りることも必要だろう。国が支援するアドバイザーやコンサルタントでも良いだろう。
「大きい会社だからできる」「有名な会社だからできる」そう思うかも知れないが、挑戦する価値はあると思う。売らない店、動かない店に勝つためには、先ずは動くことしかない。