昨日も300km走行で県内をまわって来ました。山間では春の花も綺麗に咲いて、車で遠距離を走っても苦になりません。気持ちいい、いつもの季節に感謝です。

人っ子ひとりいない場所で車を止めてしばし休憩。辺り一面黄色の花が咲く原っぱの中を、忙しく飛び回る日本ミツバチを発見しました。春を感じさえてくれる光景を撮りたくて近くに寄っても全く逃げません。ミツバチにとっては、それどころではないようです。

足一杯に花粉をつけて、早く女王様の所に帰らないと叱られると思っているのか、この仕事が生き甲斐だと思っているのか、「これでもか!」と言わんばかりに足一杯に花粉をつけて、ひょろひょろしながら、飛び去っていきました。

丸々としたお尻に黒と白の色がハッキリ出るのが日本ミツバチです。西洋ミツバチはこのコントラストが薄〜いんですよね。それに雪が降るような寒い山奥では生きていけませんし、この辺りには養蜂業者さんもいないので、山に育つ本物の日本ミツバチだと思います。

ぶーん、という羽音を聞くと「キャー」っと言って驚く方は多いはずです。蜂=刺されると言う風に連想されるので、苦手に思うのも当然です。「ミツバチは死ぬ気にならないと刺さないのに」、と私はいつも思っていますので、今回の激写でも結構近寄って撮りましたが、何ともありませんでしたね。何なら手のひらに乗せても良いくらいです。

山奥育ちの私の特権で、お爺さんが日本ミツバチを飼っていました。確か巣箱は家の周りに8つくらいあって、普通に家の横にあったので、春になったらブンブン飛び回っていましたね。兄弟で野球をやって、走ったり、バットを振っても全然刺されることはありませんでした。働きバチと言われるくらいに仕事をしますので、私たちに喧嘩を売っている場合ではなかったのでしょう。

働きバチが一生懸命仕事をして、蜂の巣には天然のロイヤルゼリーが出来上がります。トローとした蜜の味は濃いです。お爺さんは巣ごとバリバリ食べていたこともありました。真似て食べてみましたが、子供の身体には良くないです。蜜が濃い過ぎて咳き込んでしまいます。それ程、天然物は絶品と言うことでしょう。

ミツバチの一生はとても短く1ヶ月です。働く時間も一日6時間と生きる時間と比較すると物凄く働きます。そして分業制で仕事を覚えていきます。

ふ化したら先ず巣の掃除を覚えます
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女王蜂が産んだ子供の世話をします
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大工さんになって巣作りをします
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外勤が運んできた花粉を貯蔵庫に入れます
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門番に立って外敵から巣を守ります
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外勤となって山々を飛び回って花粉を集めます

なんだか会社の仕組みと似ていませんか?やっぱり蜂の世界も掃除から始めるんですね。これがやっぱり大事だわ。

1ヶ月しかない一生を、自宅と会社という巣の中で暮らします。遊ぶと言う意識は無くて、女王蜂のために働いて子孫を残すことに一生を捧げます。ミツバチはそんなことも考えずに、本能に操られて黙々と動いているだけでしょうが、私たちも同じ仕事をする意味で捉えると色々と考え深い気持ちになります。

生きて行くために学校で勉強して、大人になったら仕事をしなければなりません。人間の場合、一日の1/3が仕事といえる時間帯です。22歳で働き始めて65歳に仕事を辞めたとしても、43年間の8時間でざっと86000時間が仕事になります。

どうです?凄い時間が仕事に消えていきます。だとしたら、この仕事に費やす時間を無駄にしたり、嫌々するのはどう考えても勿体無い気がします。お金のためにやりたい仕事でもないに、好きでもないのに、そう思っている方もいるでしょう。でも勿体無い気がします。

ミツバチにも運命があります。一生を真っ当に働いて役目を終えた者と、花形の外勤の役目が出来ずにあの世に行く者もいます。門番ではスズメバチから女王蜂と子供を守らなければいけません。死ぬと分かっていて攻撃針で相手に挑みます。相手に刺さると自分の身体の1/3は針と一緒に離れてしまいます。即死です。だから日本ミツバチは容易に刺さないのです。

自然界の運命は私たちにはどうすることもできませんが、人は物事を考えて未来を変えることができます。それは仕事のやり方や向き合い方、人との接し方で、もしかしたら大きく変わるチャンスがあるかも分かりません。

日本ミツバチという短い一緒を終える自然界に生きるものたち。そんな気持ちになって仕事に向き合うと、何か感じることがあるかも分かりません。今日を大事にしていきましょう。

今日も一日、とにかく頑張っていきましょう!