久しぶりにプロペラ機に乗って隠岐の島を訪れました。風が強く船酔いで上陸すると半日は気分が悪いので、お金で体調を買った感じです。

隠岐の島へは1年半年ぶりで一泊と言う短い滞在です。レンタカーをブンブン飛ばして、お客さんを回って来ました。初上陸したのは19年前で駆け出しの損保営業マンだった頃。お金も無かったので歩いて島内を回りました。スーツを着て黒い鞄を持って島をうろつけば、田舎の人なので、優しい言葉を掛けてくれます。

「あんた何処から来たんだい?」

「はい、○○会の会員さんの制度商品のご案内に回っています。」

「○○会かね?そうかね。わしとこも入っとるけど、この島でスーツを着とるもんなんておらんよ。そんな服をきてウロウロしている者は、不審者か詐欺師しかおらんから、歩いて回らん方が良い」

と、冗談のような本当のような会話をして、”なるほど”と気付いた次第です。そう言われて別れたものも、西郷港まで帰る道のりはどうしたもんだか、と思い始めます。通り過ぎる車や出会う人が聞きなって仕方ありません。考えた末に上着は鞄に入れて、鞄は弁当を買ったビニール袋になんとか押し込んで、飛び込み営業もせずに、尻尾を巻いて帰った記憶があります。

「豪に入れば郷に従え」

これって鉄則ですね。

島根県の出雲市から隠岐の島へは1日一便ですが飛行機が飛んでいます。船酔いがし易い人には助け舟ならぬ、助け飛行機です。船だと2時間20分の船酔いとの格闘がありますが、飛行機だと30分です。

プロペラがグルンと回りだし途端に機体が振動で揺れます。ゆっくりとスタート地点に到着していざフライトです。更に揺れます。ブルブルです。ちぎれるくらいにプロペラが回りだし、走り出します。ジェット機ほどのスピードはありませんので、フワッとではなく、少しづつって感じで離陸します。

しばらくしてベルト着用サインが無くなり、スッチーさんが飴玉の入ったカゴを手に持って、超短い通路を5分程歩けば、ベルト着用のサインが出ます。突然、底が抜けたんじゃあないかと思わんばかりの音がして、タイヤの格納扉が開きます。お化け屋敷みたいにびっくりしてしまいます。そんな感じのなんやかんやで、あっと言う間に隠岐の島です。

プロペラ機の魅力はなんと言っても低空飛行の魅力です。離陸する時も着陸も、旋回する高度が低いので陸の形と建物がよく見えます。ジェット機では絶対見られない風景はプロペラ機の魅力ですね。おまけに海が近い!波が見える。もしかするとイルカと出会える可能性もあります。

いつもはジェット機で移動をします。いつものこと、普通のことです。空の風景も多少の変化はありますが、最初に乗った時の感動は薄れていきます。富士山を見て季節の変わり目を感じるくらいになります。慣れなのか、これ以上の出会いは無いと思い込む自分の気持ちからなのか、普通の景色として受け入れてしまいます。いつもと違う行動やいつもと違う見方。いつもはしない行動をわざと行動してみる。そんな、いつもと違う何かは忘れていた何かを思い出して、新たな感動や新たな気付きを与えてくれるチャンスが生まれます。

いつもと同じは安定で安心です。何も起こらないようにリスク管理をしているからです。

でも、本当のリスクとは安定と安心の逆方向の行動をすることで、新しいチャンスを手にする可能性に出会うことです。

「リスクとは安心と安定、危険や不幸、チャンスや幸せと言う言葉の固まりの集団です」

どれを手にするのかは、あなた次第です。

今日はいつもと違う何かの行動で頑張っていきましょう。