信頼とは、行いからその人に頼ってみたいと思うこと。信用とは、その人の行いから信じても良いと思うこと。普段から、この信頼と信用を相手に分かってもらいたいと、言葉を発言したり発信をして伝えることに努力しています。本人は頑張っているのに、一瞬で崩れてしまうことは避けないといけません。
「しまった!」と心で叫んで、場を取り繕っても、数秒前には戻ることができません。言霊と言う魂を相手にぶつけたわけですから、相手には何らかのエネルギーが伝わっています。もっと悪いことは、後悔する気持ちさえも思い浮かばないことになると、こりゃあ大変なことです。銀行に用事があって朝一番に行ったことがあります。月末だったので行員さんも忙しそうにバタバタしています。カウンター横の角の椅子に座って、担当の方と書類の変更点について話をします。
「今日は月末でバタバタしてすみません。書類の方も少し時間が掛かると思いますが時間は大丈夫ですか?」「月末って忙しいですよね。私の仕事もそうですよ。次の予定にはまだ少し時間もありますから大丈夫ですよ」とお互い大人の会話を交わします。書類の作成はバタバタされている行員の誰かがするのでしょうから、責めることはできません。小走りで社内を動き回っているのが、話をしながらでも目に飛び込んできます。もう少し修行を積めば忍者になれるレベルです。
担当者も書類の作成に時間が掛かると思っている訳ですから、世間話や景気の話をして私をもてなしてくれます。人に任せていることなので本人も難しい立場なのだろう、と察して言葉を返して話を繋げます。時々席を立って様子を見に行ったり、自分の席にある書類に目を通して、席に戻ってまた話が始まります。ひとりの時間も結構ありましたので、店内の貼り紙や昔からあるだろう、「何故そんなものがこの場所に」と妄想をしながら、ポツンと一軒家をテレビで観ている感じで、辺りを観察します。営業で身につけた目と、物事をストーリー化して妄想イメージを作りあげる特技があるので、こんな時は良い暇つぶしになります。そうは言っても、時は1時間20分も経っています。
「お待たせしました」と、持ってきた書類にサインをして、この場から解放された気持ちになった矢先に、「こちらは○○の書類でお客様に記入をしてもらいたいのですが、こちらとこちらに・・・」と、3枚の書類に住所や名前、印鑑が必要だと言う。
この瞬間、「それって今のタイミングに出す訳?あの待っている時間で出せば良かったのに」と違和感がでます。お互いが時間を費やして、場を持たせてきた信頼と信用ってどうなるんでしょうね?と思ってしまいました。タイミングは過去の出来事を一瞬に崩してしまう重要な押さえどころです。タイミングが悪いと、きっと仕事の出来もタイミングが悪い人だと思われてしまいます。人は想像の天才なのですから。「タイミングは過去と未来を決定させる、重要なターニングポイント」そのためには、早く手を打つこと、リスクマネジメントの鉄則です。早すぎることへのリスクは少なく、遅すぎることへのリスクは莫大です。本当に重要なポイントだと思っています。
リスクは重なるものです。その3枚の書類にサインをしていると、私のボールペンのインクが切れて、ドンドン薄くなっていきます。急いでいるから手は止めません。走り書きの文字が見えないくらいになって、その担当者からボールペンを借りて続きを書きます。なんせ次のアポイントが迫っていますから、まともな字ではありません。リスクの連鎖は、忙しい時に生まれる怖い存在です。タイミングが良ければリスクでは無く、いつものことのように対処できたはずです。信頼と信用、タイミングでコントロールできるのならば、時間軸のポイントは早さです。「しまった!」と後悔することもきっと少なくなると思います。
今日ゴールデンウィークが始まります。楽しい日をお過ごすためにも、早い行動が楽しさを倍増してくれるはずですよ